家事ラクな家を造るうえで忘れてはいけないポイントとは?

家事ラクな家を造るうえで忘れてはいけないポイントとは?

家づくりの際に家事効率の良い、家事ラクな家にしたいというテーマをもって造る方は多くいらっしゃいます。日々の暮らしの中で切っても切れない家事をどのように行うか、どれぐらいの時間をかけるのかは、ライフスタイルにも大きく影響を及ぼします。そのため、多くの方が家事ラクな家にこだわって家づくりを行っているはずですが、完成した家で暮らし始めると、意外と家事効率が良くなかったと後悔している方は少なくありません。

その原因は、家事をラクに行うことで実現したい理想の家を見失ってしまっていることにあるかもしれません。家事をラクにすることで、どんな暮らしを手に入れたいのかをしっかり考えて、その目的に合わせて家づくりをすることでライフスタイルに合った自分らしい家になります。どんな点を意識して家づくりを行えば家事ラクな家になるのか、ポイントをご紹介したいと思います。

1. 家事をラクにしたい理由を明確に!

家事をラクに行える家にしたい、という目的はあっても、その理由を忘れてしまっているケースは少なくありません。よくある家事ラクな家にしたい理由と、目的を忘れて造ってしまったことで起きた失敗ケースをご紹介したいと思います。

■パートナーや子どもたちとの時間を大切にしたい!

出来るだけパートナーや子どもたちと一緒に過ごす時間や、自分らしくいられる時間を大切にしたいと思って、家事効率を上げて時短を図れる家を目指している方は少なくありません。

しかし、家事にとって動線の良い家を目指した結果、パートナーや子どもたちと過ごす空間が狭くなったり、家事中心の間取りで、家事中に子どもたちの姿が見えづらい造りになってしまったりして、本来一緒に過ごしたい家族との会話がし辛い家になってしまったという失敗ケースがあります。

家事ラクな家にしたいからと言って、家事中心の間取りにするのではなく、家族の気配を感じたり、共に過ごす空間を大切にした間取りにしたりしなければ、家事ラクになっても意味がありません。

■家事はとにかく苦手!出来るだけ家事時間を減らしたい!

多くの方が家事効率を上げるために、水回り設備機器の機能が高いものや、作業スペースが広いものを選びがちですが、それが誰にとっても家事ラクになるとは限りません。家事がとにかく苦手という方にとっては、逆効果になってしまうこともあり得ます。

例えば、料理が好きな人にとっては、キッチンの作業スペースが広いほど料理がしやすくなるかもしれませんが、料理が苦手な人や片付けが苦手な人にとっては、スペースが広いことで散らかりやすくなるかもしれません。しかも、サイズの大きな設備機器を選ぶことで、掃除の範囲も広がって、家事にかける時間も増えてしまいます。苦手意識のある家事が、さらに苦手なものに感じてしまう空間を自ら作っているかもしれません。また、動線が良くなって家事の時短になるからと言って導入した対面キッチンは、掃除が苦手な方にとっては、常にキレイに管理することを意識して掃除をマメに行ったり、来客者に料理の手元が見える間取りだったりして、むしろ家事ストレスの多い家になってしまいます。

さらに、収納スペースも広いほど片付くとは限りません。片付けが苦手な人にとっては、広いことで整理整頓が出来ず、雑然としてどこに何があるか分からない、散らかった空間になってしまうことがあります。ただ広い収納を設けるよりも、持ち物の量や用途に合わせたサイズがキチンと納まる広さの収納を設ける方が、デッドスペースが出来ずにすみます。

そもそも家事が嫌い、苦手という方であれば、水回りや収納はコンパクトにまとめて、自分が楽しめる空間を出来るだけ広くとるほうが、家事ストレスを半減できるかもしれません。

2.目的を忘れずに家事ラクな家にするためには?

家事をラクにしたい理由を明確にしたうえで、実際に家を造る際には、そこを反映できなければ意味がありません。どのように、目的を忘れずに家事ラクな家にすることが出来るのか、上記でとりあげた理由を例にポイントをご紹介したいと思います。

■家族との時間を大切にしたいなら動線&目線を考えよう!

家族との時間を大切にするために、家事ラクな家を造るのであれば、家族中心になる、家族の気配を感じられる家を目指しましょう。家事の時間は、単体で確保できるものではなく、多くの場合家族と過ごしながら同時に行うことが多いので、家族との過ごし方もセットで考えた間取りにすることが重要です。そのためには、動線だけではなく、目線の高さ、見え方も意識した間取りにすることが大切です。

家事をしている時に、どの向きで作業しているのか、目線の高さからは家族が見えるか、会話がしやすいかどうかを確認してみましょう。例えば、キッチンに立った時に子どもの勉強する姿が見えたり、声をかけやすい高さに合っていたりすれば、子どもの宿題を見ながら家事を行うことができるかもしれません。また、小上がりを設けることで、子どもの昼寝を見ながらも家事を進めることが出来るかもしれません。

そのためには、平面上だけではなく、立体的に間取りを見ておく必要があります。家具やカウンターの高さ、間仕切り壁の高さや有無を意識するだけでも、家事をしながら自然に会話がしやすい家になります。

■家事が苦手なら自分のキャパに合ったサイズを選ぶ

家事が苦手だと感じている方であれば、水回り設備にお掃除機能が付いているもの、食器洗い乾燥機やロボット掃除機など自動で家事をアシストしてくれるものを選ぶことで家事の時短に繋がります。しかし、必要以上に機能の付いたものを選ぶよりも、家事空間をまとめて、コンパクトな設備機器を使った方が家事ラクな家にすることが出来るかもしれません。

例えば、リビングとダイニングキッチンを繋げることよりも、浴室・洗面脱衣所・キッチンを繋げで家事空間をまとめる方が、家事動線が短くなるうえに、家事で使う道具もまとめて収納することが出来ます。また、大きな対面キッチンよりもコンパクトな壁付けキッチンの方が、掃除がラクでキッチン周りの片付けも対面キッチンよりも意識せずにすみます。キッチンの背面とリビング側にカウンターテーブルをおけば、空間を緩く区切りながらキッチンを隠し、収納をアップさせたり、作業スペースを確保したり出来るので便利です。

さらに、浴室の掃除が大変という方、特に浴室にこだわりがなく、家事ラクが何よりも優先という方の中には、浴室を1坪以下の広さにしたり、浴槽を無くしてシャワールームにしたりしている方もいらっしゃいます。自分のライフスタイルやキャパに合わせた家づくりを行うことで、ストレスフリーな家に出来ます。

3. まとめ

理想の家を考えるのではなく、とにかく家事をラクにすることだけを意識して家づくりを行うと、家事効率が悪かったり、家事ストレスのたまる家になってしまったりすることがあります。家事ラクな家を造りたいのであれば、何のために家事をラクに行いたいのかを常に意識しておきましょう。また、家事は家事単体の時間ではなく、多くの場合、家族や自分のことと同時進行になるので、家事動線だけではなく、目線を意識することで、家事をしながら行えることが増えて時短に繋がります。さらに、家事に対する思いやライフスタイルは人それぞれなので、自分のキャパや理想の暮らしに合わせた設備機器のサイズや間取りを選ぶことが大切です。

家事をラクにすることで、どんな暮らしを手に入れたいのかを忘れないようにして、家づくりを行いましょう。