新型コロナウイルスの流行以降、見に見えない「菌」を強く意識するようになりました。緊急事態宣言や「STAY HOME」が叫ばれ始め、生活が大きく変わってしまった方も多いと思います。そんな中、これからの新築住宅の間取りはどのように変化していくのでしょうか。本記事では、今後の間取りの変化について考えてみたいと思います。
新型コロナウイルスの影響で変化しそうな住宅の間取り
コロナウイルスで有名人がご逝去されたり緊急事態宣言が出されたりしたことで、たくさんの方のマインドが大きく変わりました。
テレワーク(リモートワーク)が普及したり不特定多数との接触を避けたりするようになると、間取りはどう変化するのでしょうか。
今後、需要が増えそうな間取りの変化を3つあげてみたいと思います。
1.個室(書斎)とワークスペースの需要が高まる
テレワーク化やリモート授業の流れは、国の後押しもあり一過性のもので終わらなさそうです。住宅内ワークスペースの需要は、どんどん高まっていくのではないでしょうか。
ワークスペースですぐに連想するのが、1坪程度の書斎です。個室は落ち着いて作業ができるうえ、背景を気にすることなくweb会議もできます。まんがいち家族が感染した場合は、簡易隔離室としても利用できるでしょう。
しかし、書斎にこもると家族の気配を感じたり子供に目配りしたりできなくなります。LDKの一部やリビング階段の下、キッチンカウンターなどにオープンな作業スペースを併設するのもいいでしょう。
2.玄関に手洗いやコートクロークを設ける家が増える
以前から花粉症の方に人気でしたが、雑菌を家の中に持ち込みたくない方から、玄関にコートクロークや手洗いのご要望が増えそうです。
雑菌対策と言えば、乾燥しやすく空気を舞い上げるエアコンは見直されるかもしれません。
夏は、換気で涼しい風が通る工夫。冬は床暖房や蓄熱暖房のような輻射熱式の暖房機が人気になるのではないでしょうか。
3.「STAY HOME」が楽しめるスペースの価値が上がる
「STAY HOME=軟禁状態」になるとQOL(生活の質)が下がってしまいます。家にいることがストレスにならない、あるいはストレス発散できる空間は需要が高まりそうです。
たとえば、プライバシーが確保できる中庭や広いバルコニーがあると、読書したりBBQしたりして過ごせます。庭なら、家庭菜園もできるでしょう。
運動不足解消のために、ボルダリングの壁やランニングマシーンを置くためのスペースを作る方も増えそうです。
ネットショップの利用や食材の買いだめをする方には、宅配ボックスや大きな冷蔵庫を置けるパントリーがあると便利でしょう。
増えた間取りを作るコストをいかに減らすか
いろいろとアフターコロナの間取りの需要を考えてみましたが、どれも面積が増えることばかりです。一般的な注文住宅で1坪あたり50万円前後の費用がかかるわけですから、どこかの間取りを減らさないとコスト的に厳しくなります。
これまであげた間取りを優先するのであれば、和室やLDK、寝室の優先順位が下がります。廊下や階段ホールも、個室やワークスペースに割り振ることになるでしょう。
間取り全体の面積を増やすために、土地代や建築コストが安い田舎に移住する方も一定数出てくるでしょう。ウイルスに対応するための間取りの変化は、さらなるライフスタイルの多様性を生みそうです。