優良工務店の選び方

本稿では、工務店の選び方や質を見極める方法について解説します。マイホームの建築をご検討中で「どこに依頼しようか?」と迷われている方の参考になれば幸いです。

工務店の質はピンキリです。残念ながら、手抜き工事や承諾なしに建材変更をおこなうずさんな業者も少数います。信頼できる工務店を見つけたいところですが、質を評価するのにじゅうぶんな情報がなく、困っている方が少なくないでしょう。

しかし、少し手間はかかりますが、良い業者を見つける方法があります。しかも、ほとんどの方が知らずに実践している方法です。その方法や工務店の選び方のポイントを知り、あなたも家づくりを成功させましょう。

工務店の選び方

さっそく工務店の選び方をご紹介します。ひとくちに「工務店」と言ってもいろんな会社があります。家づくりのパートナーにふさわしい会社を選ぶにはどこに注目すればいいのか、お話しましょう。

契約までに、以下の4つのポイントをよく確認して、あなたに合っているかご判断ください。

  • 業態
  • 得意分野
  • 価格
  • プラン

上述の4つは、家づくりのパートナーを選ぶうえで特に大事な項目です。それぞれ、もう少し詳しく解説していきましょう。

業態で選ぶ

「工務店」には、いろいろなタイプの会社があります。たとえば、業態で区分すると以下のようなわけ方ができます。

  • 大工工事専門
  • 解体工事専門
  • ハウスメーカーの下請け専門
  • リフォーム専門
  • 店舗専門

さて、これからマイホームを建てるならどこを選べばよいでしょうか。もちろん、全部ダメです。選ぶべきは、日常的に新築注文住宅を建てている工務店。「元請け」として、お施主様と建築工事請負契約が締結できる工務店です。

いっぽう、元請け業者から部分的な施工を請け負う工務店を「下請け」と呼びます。「大工工事専門」や「解体工事専門」等の工務店がそれに該当します。家を一軒建てるのであれば、何かの施工を専門とする工務店ではなく、元請けの工務店を探してください。

得意分野で選ぶ

工務店には、得意分野があります。必ず叶えたい要望があなたにあるなら、それが得意な工務店を探してください。不得手な工務店は、余分な手間と費用がかかるにも関わらず、慣れた工務店より施工レベルも落ちます。

得意分野の例をいくつかあげてみましょう。

  • 自然素材を使った施工
  • おしゃれな内装や外観デザイン
  • 耐震性の向上や構造計算
  • 高気密高断熱や省エネ性の向上
  • 再生可能エネルギーやZEHによる脱炭素化
  • レジリエンスの向上による災害対策
  • 狭小地の建築
  • 三階建て

工務店が得意とする構造や工法も確認しておきましょう。木造については、軸組工法が主流で、中には枠組み壁工法(通称:ツーバイフォー工法)を採用している工務店があります。鉄骨造やRC造がよければ、それを専門とする工務店を探すべきです。

ZEH住宅とは?

価格で選ぶ

工務店が建てる家の価格は、坪単価で40万円から100万円くらいまで幅広く分布しています。ですから、予算に合う価格帯の工務店を選ぶようにしましょう。日頃「60万円/坪」の住宅を建てている工務店に「坪単価40万円で建ててくれ」と言ってもかないません。

ちなみに坪単価は「安ければ良い」というものでもありません。企業努力によるコストダウンなら歓迎できますが、工務店都合のグレードダウンによって安くなっているなら、相応の犠牲も覚悟しなければならないでしょう。

残念ながら、少数ですが、契約を取るためだけに価格を安く見せる工務店があります。契約後、仕様書に明記していない建材のグレードを下げたり、安いが技術力のない職人を使ったりして、つじつまを合わせているのです。

そんなことされたら、あるべき性能や技術力が確保できません。住み心地が悪く、長持ちしない家になってしまいます。ですから、価格は安くても高くても「妥当」であることが大切です。

プランで選ぶ

価格と同じくらい「プラン」も大切です。どのような家をどんなふうに建ててくれるのか、あなたの要望と予算にあったプランになっているのか。同じ土地であっても、工務店によってできあがってくるプランが変わります。

間取りばかり見ていてはいけません。国が性能向上を推進している「耐震性」や「省エネ性」も大事な指標です。このふたつは概念が難しく、目で見ることもできませんので、UA値(熱の逃げやすさを表す値)や耐震等級等の評価基準を利用しましょう。

工務店の質の良悪を見わける方法

工務店選びの基準を4つご紹介しました。つづいて、工務店の質を見極める方法を5つご紹介します。

3社程度比較検討する

冒頭で「良い業者を見つける方法がある」と書きました。それを今からご説明します。工務店を選ぶ際は、ぜひ3社程度の「相見積もり」をしてみてください。

相見積もりは、今や当たり前のように多くの方がやっている時代です。遠慮なくやって大丈夫です。相見積もりを嫌がるような工務店なら、候補から外してかまいません。

相見積もりは、2社ではダメです。意見が違うときどちらが正しいかわかりませんので、3~4社を比較しましょう。そのとき、以下の2つを中心に比較検討してください。

  • 見積もりの内容
  • プランの提案力

見積もりは、まず予算に合うか確認しましょう。「一式」になっている項目や、根拠が不明瞭な値段は注意が必要です。ちゃんと納得がいくまで、説明を求めてください。

プランは「あなたと家族のためのプラン」になっていますか?「オーダーメイド」の注文住宅なのに、選択肢が少ない「カスタムメイド」みたいになっていないでしょうか。あなたのこだわりが、どの程度実現できていますか?

そのような視点で複数社の見積もりやプランを比較すると、提案力や対応力のレベルの違いが見えてきます。なお、要望は各社に同じように伝えてください。違う要望を伝えてしまうと、比較検討が出来ません。

経営理念やビジョンを確認する

その会社の経営理念やビジョンを見ると、企業としての姿勢が見えてきます。利益と顧客、どちらのほうを向いて仕事をしているのか、なんとなく伝わってくるのです。

経営理念やビジョンが顧客第一主義になっているか、地に足のついた内容か、共感できるかチェックしておきましょう。可能であれば、これまで理念やビジョンどおりに経営できているか、実績も確認しておきたいところです。

最近話題の「SDGs (持続可能な開発目標)」についてどう考えているのか、聞いてみるのもおもしろいでしょう。詳しい答えを返せる会社なら、環境や社会との協調性を重んじる会社と考えられます。

住宅の品質や性能に対する思いも、聞き逃してはいけません。性能的な競合優位性ではなく住み心地視点の特長を語っているか、確認してみましょう。前者は作り手目線、後者は住み手目線の会社です。

企業経営の安定性を確認する

何十年も暮らす大事な家ですから、ずっと伴走してくれる工務店に建築を依頼したいですよね。数年後に倒産するようでは、住まいのトラブルが発生したときに困ってしまいます。

その会社が将来倒産するかどうかは、わかりません。しかし、そういう工務店を選ぶリスクは下げられます。以下の指標に注目して、長くお付き合いできそうな工務店を選びましょう。

  • 着工数が多く繁盛している
  • 売上や従業員数など会社規模が大きい
  • 営業年数が長く地元で信頼されている
  • 大工を自社で雇用している
  • 建築士や施工管理技士など資格保有者が多い

実際に会社に訪れてみて、社屋やスタッフの雰囲気を感じ取るのもよいでしょう。体感から得た印象は、意外と当たるものです。「信頼」または「不信」のどちらが頭に浮かぶのか、五感で感じてみてください。

工事現場や完成住宅を見てみる

もし気になる工務店が現場見学会や完成見学会を開催しているなら、必ず参加しましょう。建築現場から感じ取れる情報は、工務店選びの大きな手がかりになります。

「技術的なことは、わからない」という方でも大丈夫です。雑と感じるところはないか、現場の整理整頓はゆき届いているか見てください。「それも自信ない」という方は、住宅の質を見る専門家・ホームインスペクターを同伴するという方法もあります。

なお、工事中の建築現場は危険です。勝手に入ったりせず、見学会のときに見に行くか、工務店に連絡を入れて許可を取ってから見に行くようにしましょう。

積極的にコミュニケーションを取る

ご存知のとおり、話すとわかることがたくさんあります。工務店の担当者としっかり話をして、人となりや営業姿勢を感じ取ってみましょう。会話の際に確認するとよい項目をあげておきます。

  • ちゃんと話を聞いているか
  • 長時間、音信不通にならないか
  • 説得ではなく、納得のいく話をしてくれるか
  • 自社の弱みも隠さず話してくれるか
  • 要望に対する提案力はあるか

チャンスがあれば、社長や営業マン以外のスタッフとも話すといいでしょう。たとえば設計担当者や現場監督、職人は家の出来栄えに大きくかかわります。会話で人となりがわかると、安心して任せやすいですよね。

無口な人であっても、誠実さは口調や仕草から伝わってくるものです。もしだらしない印象や不信感を感じたなら、それはきっとあたっているか「あたらずと言えども遠からず」でしょう。

【まとめ】優良工務店の選び方

家づくりを依頼する工務店を選ぶときは、まず候補の工務店の業態と得意分野を見ましょう。そこがあなたの求めるものとカッチリあわないと、何をお願いしても「これこれ!」という答えが返ってきません。

候補の工務店が絞り込めたら、つづいてプランと見積もりを依頼します。このとき3社程度に同じ要望を伝え、提案内容や金額を比較検討するとよいでしょう。価格にかんしては、安さより金額の妥当性が大事とお考えください。

最後に「契約する工務店」を決める際は、経営理念や企業経営の安定性もご確認ください。さらに、スタッフと積極的にコミュニケーションを取っていただくと、経営姿勢や従業員の人となりが見えてきます。

工事現場や完成した住宅の見学会に参加できたら、それも判断材料になるでしょう。本稿を参考に、あなたにあった工務店を見つけてください。あなたの家づくりの成功を願っております。

SHOSINのイエ

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