家づくりの手順は非常に複雑です。土地から購入するとなるとなおさらで、いつ何をすればいいのか不安になります。一般的に家は人生で一番高い買い物ですから、失敗したくないと考えるのも当然です。 今回は土地から購入して家づくりをする流れについてご説明します。読んでいただくと少しは不安が晴れると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。


土地から買って注文住宅を建てる流れ

それではさっそく、家づくりの流れを5つのパートにわけてご紹介していきましょう。

予算組み(資金計画)

「家づくりの序盤で、もっとも大事なこと」と言っても過言ではないのが、予算組み(資金計画)です。まずは、予算から考えていきましょう。 予算を組むときは、総予算から決めます。総予算は「自己資金+住宅ローンの借入額」で計算します。この総予算の中で、土地や注文住宅、諸費用など全ての出費をやりくりします。 住宅ローンの借入限度額は金融機関の審査を経て決まりますが、現在の金利水準なら年収の6倍が目安になります。6倍以上貸してくれる金融機関もありますが、返済の遅延を起こすリスクが上がるとお考え下さい。

土地優先?建物優先?優先順位の決定

土地から購入して注文住宅を建てる場合は、予算の他にもうひとつ大事なことがあります。それが何かというと、予算配分です。 注文住宅の取得費用は「土地代+建築工事費+諸費用」で計算できます。このうち諸費用は他の2つより金額が小さく値下げできない項目も多いので、調整するにも限度があります。ですから、土地優先で予算を使うのか、建物優先で予算を使うのか決めておく必要があります。 どうしても住みたいエリアがあるなど、建物より土地へのこだわりが強い方は、土地優先の予算組みがいいでしょう。土地を優先する場合は「総予算-諸費用-土地代=建物予算」で建物予算が決まります。 どうしても建築を依頼したい建築会社があるなど、土地より建物へのこだわりが強い方は、建物優先の予算組みがいいでしょう。建物を優先する場合は「総予算-諸費用-建物代=土地予算」で土地予算が決まります。 優先順位を間違えると、不満が残る家づくりになります。土地優先なのか、建物優先なのか、よく検討することをおすすめします。

土地探しと建築会社探し

土地優先で家づくりを進める方は、まず不動産屋や不動産ポータルサイトを使って土地探しから始めることになります。あわせて、信頼できる不動産屋も探しましょう。 なお「100点満点の土地はない」と考えた方がいいでしょう。条件がいい土地は不動産業者が直ぐに買ってしまうので、一般人が買えるチャンスはまずありません。 大手の分譲会社にも良い土地が集まります。大手分譲会社の新築建売住宅を買って直ぐにリフォームする方法もありますので、気になる方はこちらをご覧ください。

建売購入+リノベーション

建物優先で家づくりを進める方は、まず建築会社探しから始めましょう。土地探しは、建築会社と相談しながら進めます。資料請求や見学会に参加しながら、候補の会社を3社程度まで絞り込みましょう。 条件に合う良い土地がみつかったら、売主に土地購入申込を出します。値段交渉や引き渡し日の取り決めなどを経て、話がまとまれば不動産売買契約へと進みます。 なお、資料を請求した際にもらえるカタログは、建てたい家のイメージを固めるのに役立ちます。気になる写真やアイデアは、スクラップブックを作って貼っておくとよいでしょう。

仮プランと見積もり作成

購入したい土地が見つかったらすぐ、建築会社に間取りのプランと概算見積もりを作ってもらいます。住宅ローンの仮審査用ですので、仮のものでOKです。ただし、他人に先を越されて土地を買われてしまうと困るので、スピード勝負です。 プラン図面と見積もりを添えて住宅ローンの仮審査に申し込んだら、そのあと候補の建築会社全社にしっかり要望を伝え、プランと見積もりを作ってもらいましょう。候補の会社の中から、1社に絞り込めたら、建築工事請負契約を結びます。 契約書をもらったら、あわせて住宅ローン本審査も申し込みます。

詳細設計打合せと建築工事

契約後は、どんな家にするのか具体的に決めていきます。建築基準法にもとづく「建築確認申請」をおこない「確認済証」が交付されたら、いよいよ着工(工事開始)です。 まずは地耐力(地盤の固さ)の調査をおこない、軟弱と判断されたら地盤改良工事をおこないます。その後、一般的な木造住宅であれば3~5か月の工事期間を経てお引渡しとなります。


土地から買う家づくりは非常に複雑

土地から購入して家づくりをする場合は、住宅ローン関連の手順がとても難解です。住宅ローンの審査や金銭消費貸借契約(ローン契約)、不動産売買契約、建築工事請負契約などと複雑にからみ合います。 いつ何をするのかわかりづらいだけでなく、状況に合わせて順序のアレンジも必要で、初めて家づくりする人にはハードルが高い作業でしょう。しかも、土地は早い者勝ちなのでスピード勝負です。 ですから、まず信頼できる家づくりのパートナーをみつけ、アドバイスをもらいながら進めていくとよいでしょう。あなたの家づくりが成功することを願っております。