注文住宅を建てるとき、住宅ローンの進め方について悩まれる方が多いです。たいていの方は人生で1~2度しか経験しないことですから、何から手を付けていいのかわからなくて当然です。 今回は、注文住宅で住宅ローンを借りるときの流れについてご説明します。大雑把に言うと3ステップですので、そんなに難しくありません。 ぜひ最後までご覧いただき、住宅ローンを借りるときの不安を和らげるのにお役立てください。
注文住宅で住宅ローンを借りる流れ
非常に面倒でややこしい住宅ローンですが、整理すると「仮審査、本審査、金銭消費貸借契約」の3ステップにわけられます。 順番に解説していきましょう。
仮審査
住宅ローンの審査は「仮審査」と次にご説明する「本審査」の二段階になっていますが、その理由をご存知でしょうか。 住宅ローンの本審査をしてもらうには建築工事の請負契約書が要りますが、お客様と建築会社が請負契約を交わすまでには、土地の測量や図面の作成など多くの作業を経る必要があります。 まんがいち本審査で落ちると、お客様を始め不動産屋や建築会社のスタッフ、銀行マンなどたくさんの関係者の行動が徒労になります。そのリスクを緩和するために、仮審査があるのです。 ちなみに、分譲住宅や分譲マンションでは相談に行くとすぐ仮審査を勧められます。抵抗感はあるでしょうが、お施主様にとっても合理的な流れですので、仮審査は早めに受けておかれることをおすすめします。 なお、仮審査では「本人確認書類、収入確認書類、勤続年数確認書類、物件概要がわかる書類、土地概要がわかる書類」などが必要です。
本審査
先述のとおり、建築工事お請負契約書にサインしたら、すぐ本審査を受けます。 なお、仮審査に合格していても本審査で落ちることもありますので、油断はできません。詳しくは後述しますが、住宅ローン特約を付けておくとよいでしょう。 本審査の必要書類は「本人確認書類、収入確認書類、勤続年数確認書類、住民票、印鑑証明書、契約書、設計図書、公図・登記事項証明書」などです。
金銭消費貸借契約
金銭消費貸借契約とはいわゆる「住宅ローン契約」のことで、不動産業界や建築業界では略して「金消」と呼ばれます。金消が完了すれば、あとは融資の実行日(通常は引き渡し日)を待つだけです。 必要書類は「実印と印鑑証明、住民票、本人確認書類、引き落とし口座通帳と銀行印、火災保険」などです。 なお、住宅ローンが実行される際は、抵当権の設定登記がおこなわれます。これで、まんがいち返済遅延が続くとお住まいは競売にかけられることになります。ちゃんと計画的に返済していきましょう。
住宅ローンの注意点
住宅ローン借りるにあたって、いくつか注意点があります。その一つ目が、金利が低い金融機関を選ぶこと。住宅ローンの融資額は高額になるので、0.1%の違いが総返済額に大きな影響を与えます。 二つ目は、不動産売買契約や建築工事請負契約を結ぶときは住宅ローン特約を付けること。この特約を付けていないと、まんがいち本審査に落ちたとき、支払い済みの手付金が戻ってきません。 三つめは、つなぎ融資に対応しているか確認しておくこと。建築工事の代金は、3回程度に分けて支払う(着手金・中間金・清算金)のが一般的ですが、住宅ローンが実行されるのは清算のときです。着手金と中間金は自己資金で払うか「つなぎ融資」と呼ばれる別ローンを組む必要があります。 つなぎ融資を行っていない銀行もあるので、よく確認しておいてください。
注文住宅はまず予算から建てよう
住宅ローンは借入限度額があり、(勤務先など他の条件にもよるが)上限はほぼ年収で決まります。目安としては、現在の金利水準でおおよそ年収の6倍です。これを越えて審査を依頼すると、落とされる可能性が高まります。 「土地に予算を使い過ぎて、家にかける費用がなくなった」とか「せっかく理想のプランができたのに、住宅ローンが通らなかった」となっては大変です。必ず土地・建物・諸費用の予算配分を考えてから、住宅ローンの審査に臨みましょう。 予算を立てられるか不安な方は、建築会社やファイナンシャルプランナーに相談してください。無料で相談に乗ってくれるところもあるので、探してみるとよいでしょう。