注文住宅をご計画中の方の中には、諸費用額を聞いて驚かれた方も多いのではないでしょうか?注文住宅の諸費用は500万円を超えるケースもあり、かなり資金計画に影響します。

「なんとか節約できないものか?」とご相談をいただくことも多いです。そこで、今回は節約方法をいくつかご紹介してみたいと思います。

注文住宅の諸費用を抑えるコツ

さっそく、注文住宅の諸費用のうち6項目について節約方法をご紹介します。そのあと、節約できない項目もご紹介します。

解体工事費用を抑えるコツ

解体工事では、残置物をできるだけ自分で処分するといいでしょう。不用品の廃棄を解体業者に依頼すると「産業廃棄物」になり、高い処分品がかかります。

地域の無料回収で出せるゴミは自分で出し、大型ごみも拠点回収場所に持ち込んでみましょう。往々にして、そのほうが安く処分できます。

売れそうなものは、売りましょう。ちなみに、金属は専門に買い取ってくれる業者があります。たとえば鉄の門扉は解体時に廃棄処分するより、買取業者に持ち込むほうがお得です。

仮住まい費用を抑えるコツ

建て替えでは、半年ほど仮住まいが必要です。家賃が高いエリアでは、仮住まい費用(家賃+敷金・礼金)だけで100万円を超えるケースもあります。 家族は小さめのマンションに引っ越し、直ぐに使わない家財は安いアパートやトランクルームに預けることで、大きなマンションを借りるより安く済む場合があります。

外構工事費用を抑えるコツ

外構は家づくりの最後に施工するので「予算が残っていない」という方もおられます。そんなときに無理して低予算で工事するより、後からできることは後でやる気持ちが大切です。 外構は、家の印象を大きく左右します。安っぽい外構にするぐらいなら、お金の余裕ができたときに少しずつ手入れしていく方が、最終的に良いものになるでしょう。そのほうが愛着も沸きます。

エアコン・カーテン・照明器具費用を抑えるコツ

エアコン・カーテン・照明器具は、建築会社と話し合いのうえ可能な限り施主支給・施主工事にするとよいでしょう。とくに、エアコンとカーテンは施主工事にできる建築会社が多いと思います。

エアコンやカーテンを施主工事にすると、建築会社のマージンの分だけ安くなるかもしれません。建築会社に依頼するのと、自分で手配するのと、どちらが安いか比べてみましょう。

ただし、責任が曖昧になるので、断られるケースもあります。例えば照明が不良を起こした場合「配線が原因か?器具が原因か?取付工事が原因か?」と揉めることになりかねません。無理に進めず、建築会社の同意のもと施主工事にすることをおすすめします。

なお、エアコンは安い時期に買っておくとよいでしょう。汎用品モデルなら1~2月、ハイグレードモデルは8~9月ごろ価格が下がる傾向があります。

登記費用を抑えるコツ

登記費用のうち、司法書士や土地家屋調査士の報酬部分は値引き交渉できます。相見積もりを取って、一番安いところに頼む方法もあります。 建築会社とお付き合いがある司法書士(土地家屋調査士)、借入先の金融機関とお付き合いがある司法書士(土地家屋調査士)、両方に見積もりを依頼するとよいでしょう。

住宅ローンの事務手数料・保証料を抑えるコツ

住宅ローンの事務手数料や保証料も、値下げ交渉の余地がゼロではありません。とくに大手企業にお勤めの方や公務員は優遇されやすいので、チャレンジしてみる価値はあります。 ただし、金利も重要です。住宅ローンのコストは「利子(利息)+元金+手数料+保証料」で考え、少しでもお得になる金融機関で借りましょう。

抑えにくい・抑えてはいけない費用

なかなか抑えにくい諸費用や、値下げ交渉ができない費用もご紹介しましょう。

その代表的なものは、地耐力調査費と地盤改良費です。軟弱な地盤に家を建てるときは、地盤改良の工法は見直せても、改良工事自体を無しにすることはできません。

契約時に必要な印紙税や登記に必要な登録免許税も、税法に則った額を納付する必要があります。値引き交渉はできません。

地震保険は、どこの損保会社で契約しても同じ保険料です。地震保険は公的制度の側面が強く、国と損保会社が負担を分け合います。保険料の差は、建物の構造や物件の所在地によるものです。

注文住宅の建築でもっとも効果的な節約方法は?

注文住宅の費用を抑えたいとき、どの方法が最も節約できるのでしょうか?

キッチンやお風呂など住宅設備のランクを落とす方法は、効果が薄く夢がありません。延床面積を1坪減らせば大きく価格が下がりますが、これも夢のない話です。上述のように諸費用を節約する方法はそれなりに効果的ですが、面倒なので努力が必要です。

なにか、よい方法はないのでしょうか?

しいて何かひとつに絞るとすれば、住宅ローン金利を下げるのがおすすめです。先述のとおり0.1%でも金利が低い金融機関で借りると、借入額によっては数十万円も利息の支払い額を減らせます。

やり方は、カンタンです。何行か住宅ローンの仮審査を受けてみて、通過した中で一番金利が低い銀行で借りるだけです。その金利を根拠に、他の銀行と交渉してもいいでしょう。

少しの努力で何十万円もの節約につながるので、ぜひ試してみてください。